
皆さんはサラダを作る時にどのような野菜を使われますか。トマト、キャベツ、きゅうり、ほうれん草、水菜、サラダ菜、オクラ、かぼちゃ、ポテト、りんご、アボカド・・・・。一般的には、八百屋さんやスーパーマーケットなどで売られている野菜(果実も混ぜて)で作りますね。私もそうです。
では何故、道端に生えている植物を使ってサラダを作らないのでしょうか。都会ではそんな草もないので作れないからでしょうか。ならば田舎にすむ人は、日々草を食べているのでしょうか。誰もこんな質問など思いも巡らしませんよね。ほとんどの日本人は地域を問わず草は食べません。
人はなぜ野草を食べないのか、食べられないのか整理してみました。
1. 食べたことがなく美味しさが不明である。(経験のない食べ物は食べたくないという習性)
2.美味しくなさそうである(葉肉のうすい植物は青臭いだけで食べられない)
3.毒性もあり食べられないものもある(毒草、アク、アルカロイド色素)
4. まれには食べられるものもあるが単一には自生していない
5. 道端に生えているものは安全とは言いがたい6. ほかに食べるものはいろいろあるので、好んで食べる必要がない。
7. 年中同じところに同じ状態(旬)では自生していない。
以上の事柄が現代人をして野草(道端や野原に自生)を常食としていない理由と考えられます。
(野草 シャク 水辺の雑草 野草 鉄砲草)
実はこの整理こそが野菜の誕生への道と考えたのです。
ちょっと大げさですが野菜と野草の違いのヒントがこの中に隠れていました。
野菜の条件
1. 野菜とは常食するのにふさわしい美味しさが分かっていること。
2. 美味しくて可食部が大きいこと。
3. 人には害とならないもの。
4. 単一種として栽培が可能なものであること、継続的に栽培できること。
5. 人為的に管理ができ栽培状況や安全性が保証できること。
6. 発芽時期が一定していて、収穫期も揃っていること。すなわち収穫がしやすいこと。
こうした条件がそろって初めて人に利用される野菜(植物)と呼べるのではないでしょうか
野菜をフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で検索すると次のように表示されます。野菜(やさい)とは、一般には水分が多い草本性で食用となる植物を指す。青物ともいう。食用となる植物で、主に葉や根、茎(地下茎)、甘くない実を食べるものを野菜ということが多い。

ニンジンで検証
ニンジンのルーツと野菜までの道のりニンジンの原産地は、アフガニスタン周辺とされています。そこから、東西2つのルートに分かれて、日本に2系統のニンジンが渡来しました。元来は、黄、白、紫、赤など多彩で細長いのが特徴でした。日本ではオレンジ色の品種がほとんどですが、フランスでは紫色もよく出回っています。


植物の防衛機能
野菜は動物と違って自ら防衛や繁殖のために動くことが出来ません。したがって種を保持するためには動物に食べられたり、一時的な気象変化に大きく影響を受けないための防御機能が必要です。この特徴こそ野生種である野草の特徴です。もし発芽や開花、結実時期が同時期ならば、気象変化が直接影響し、降雨がなければ一瞬にしてその地区の種は滅びます。また、動物にこのまれる美味しさならば、たちどころに食べつくされてしまいます。植物がもつ自己防衛物質(アルカロイド、フェノール、有機酸、ステロイド、シアン配糖体)は動物による披食を制限します。
野草が野菜になる道のり
野原で見つけた食べられそうな野草をすぐに野菜にすることは出来ません。おそらく何百年もかかって食べやすい形に品種を改良した末の代物なのです。しかしこれからは優秀な植物の遺伝子を世界中が競って、試験管内で改良し数年間で野菜を生産する時代が来ることでしょう。 次回は、大量に必要とされる食物をどのように世界が確保しようとしているかを検証しようと予定しています。ご期待ください。(農産物遺伝子操作、ハウス栽培技術、農薬の進歩など)
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